なんとかなるさ~

Emiko/記録の保存庫

タグ:宇佐神宮

10 022
(宇佐神宮の上宮にて)


先日、宇佐神宮へ参拝に訪れたとき、お守りを売っているところで、「ひょうたん絵馬」というものを見つけた。


御神祭の「神功皇后」さまが、我が子「応神天皇」さまに、ご自分の母乳を「ひょうたん」の中に入れ、「応神天皇」さまにお与えになられた・・・というお話から、この「ひょうたん絵馬」が生まれたそうな・・・。
(説明書きによる)

image



購入すると、袋の中に朱塗りの瓢箪&漆塗り?の瓢箪、各一個ずつで合計二個、入っていた。願い事を書いた紙を、漆塗りの大きな瓢箪の中に入れて、絵馬を奉納する場所に収めてくる。そして、もう一つの朱塗りの方は、自分で持っている・・・ということらしい。



何を書こうかな・・・???
いつもの私なら、「世界平和」とか「心願成就」とか「健康祈願」とか・・・。ありきたりなことばかりお願いするんだけど、遠路はるばる九州・宇佐まで来て、「健康祈願」ではなぁ~と、ふと思った。


その時、あっそうだ!こんなこと、願っちゃおう・・・かな(笑)。・・・と思いついたのが、

『これからの人生、毎日を陽気に明るく、楽しく生きていけますように。』

・・・と、いうことだった。

真面目で固い性格?の私は、今までずっと、「こんなふざけたこと書いたら、神様に叱られて罰が当たるかもしれない」と無意識に思い、「楽しく生きていけますように~」なんて文面・・・いやいや、そんなアイディアすら思い浮かばなかった(笑)。

でも、わざわざ宇佐まで来て、真面目なこと頼んでも全然面白くもないし(神様ごめんなさい)、記念にならないよなぁ~と、そんなことをフッと思い、「おお~!そうだ。これにしよう~!」と、サラサラと用紙に書き込んだのだった。


神様、ごめんなさい。でも、もう人生の前半部分で、私は一生分の苦労を抱えて頑張ってきたので、残りの半分の人生は、楽しく陽気に毎日面白おかしく生かせてください・・・。

・・・と、私は真剣?に祈った。

image

ちょっとピンぼけだけど、左の大きい方は、私の瓢箪。右の小さいのは、夫の瓢箪。
この中に、私たちが書いた「お願いごと」の紙が入っている。


この「ひょうたん絵馬」、御守り売り場で、お互いにパッと反射的に手に取ったんだけど、何故か私の瓢箪の方が大きい。


夫は、この大きさの違いに敏感に反応し、「まるでカマキリの夫婦みたいや~。俺より、お前の方が大きい!どうして、こんな差が出るんやっ!」とムキーとなっていたけど(笑)、「オホホホホ~、やっぱり「徳分」の違いが、こういうところで自然に出てしまうのよ~。ごめんあそばせ~。」とお嬢っぽく言ったら、夫はプーとふくれていた(笑)。


こうしてお願いごとを書いた瓢箪は、神社の境内に奉納し、もう一つの朱塗りの瓢箪を、私たちは大切に持ち帰った。

今、この瓢箪は、私たちの大切な「守り瓢箪」になっている。


時々、辛いことがあったり、嫌なことがあると、この瓢箪を手に取り、眺め、「そうだった、明るく陽気に楽しく生きていけますように・・・とお願いしたんだった。]と思いだす。


宇佐の神様にお願いしたんだから、きっと大丈夫。


瓢箪のおかけで、明るく陽気な気持ちで、今日も一日、頑張って楽しく過ごせそうだ・・・


image


これは、宇佐で泊まった旅館のお料理。八幡様の「鳩」なんだそうです。

great!(笑)

10 052
(宇佐神宮にて)


旅館の夕ご飯はとても美味しくて、ペロリと食べてしまった。

この時、日本酒を熱燗で頂いたんだけど、出されたお酒もとても美味しく(醸造アルコールが混ざっていない、米と麹だけで作られたお酒だった)、「いい宿に出会えてよかったね。宇佐の神様のお導きだろうね~。ありがたいね~。」と夫と話した。


古い建物だけど、掃除が行き届いていて、とても清潔感がある。料理も、手の込んだ和食で、お酒だけでなく、食事の最後に出されるお茶も、とても美味しかった。


夕食を終えて部屋に戻り、ニュースを見ると、台風は明日、九州に接近するとのこと・・・。

「台風が近づくと、新幹線も止まってしまうかもしれないから、明日の朝、ここを立とう。」ということを二人で決めた。


本当は、もしもお天気が良ければ、中津の方まで行って、今、大河ドラマ「軍師官兵衛」の舞台になっている中津城を見学し、お城の近くにあるという福沢諭吉の生家へも行きたいなぁ・・・と話し合っていたんだけど、台風の進路が心配なので、そちらへの観光は諦めることにした。

「本当に、ただ宇佐神宮への参拝の為だけに、ここに来た!・・・って感じだよね」と私たちは笑った。

遠路遥々、九州まで来て、宇佐神宮だけ参って帰るのだから、他の人が見たら「なんと信心深い人たちなんだろう」とビックリされるだろうな・・・と(笑)。

この日は、朝の出発が早かったし、遠出の旅だったし・・・で、疲れて、すぐに爆睡してしまった。


次の朝。


「台風で大雨かな・・・?」と恐る恐る起きたけど、なんと!雨が降っていない。

曇り空だけど、まだ、雨は降っていなかった。


外を見た夫が、「朝食前に、もう一度宇佐神宮をお参りしてきたい」と言い、慌てて旅館を飛び出して行った。

私は、ノンビリと起きて、身支度をして、荷物をまとめて、いつでも出発できるように準備をした。

やがて夫が戻ってきたので、朝食を食べに食堂へ下りる。

夫曰く、「朝の神宮はとても良かった。近所の人たちの散歩コースになっているみたいで、地元の人たちが歩いていたよ。」と話していた。上宮まで登ったようだけど、「神聖な雰囲気で、空気も清々しくて、とてもよかった。」と、爽やかな表情だった。


朝食を食べた後、まだ少し時間があるので、「じゃあ、今度は私がお参りに行ってくるね!」と一人、旅館を出た。

曇り空だけど、まだ雨は大丈夫そう・・・・。

10 062

10 063

10 064


10 065


10 066

昨日も通ったはずの道なのに、とても清々しくて爽やかで、石段を登るごとに、私は何も考えられなくなっていく。思考が止まり、「ただ此処に居る」という状態になっていった。


下宮を参り、上宮を参拝する。

上宮では、ジッと佇み、神様に最後のお別れをした。

ここに来させていただき、とても嬉しかったです。ありがとうございました。・・・と。

それ以上のことは、全く考えられない・・・そういう状態だった。

名残惜しい気がしたけど、私はサッと振り返り、上宮を後にした。

ああ・・・良かった。

こんなに遠い所まで、私は確かに来ることが出来たのだ。それも夫と一緒に・・・。

無理だと思っていた時もあったけど、ちゃんと来れたのだ・・・。

すごいなぁ~。叶うのだ。心に強く思えば、ちゃんと叶ってしまうのだ。

無理だと思う気持は、結局は、自分で自分に課していた「制限」だったんだなぁ・・・と。

「制限」の枠の中で生きていれば、人から咎められることも非難されることも、妬まれたり、変に羨ましがられることもない。無難に生きていける。


でも、それでは、つまらない人生になってしまう。

今までの私は(夫も同じだけど)、人から何かを言われるのが嫌だからと、自分を「制限」という狭い枠の中に抑え込んで、そうして小さく小さく目立たないように生きてきたのだ。

でも、もう、そういうのは止めよう・・・と思った。

枠を外して、「制限」も取っ払って手放してしまい、自分を大きく広げていかなくては・・・。

これからは、もっともっと自分の心に正直に生きていき、世間体とか罪悪感から身を守るために「制限」を自分に課す・・・という生き方、もう止めよう・・・と思った。


それを身を以て学ぶために、私たちは此処に導かれてきたんだなぁ・・・と。

ここへ来るまでの過程が、まさに「制限を外す」ための行動の連続だった。

「制限」を外し続けてきたから、ここに辿り着けたのだ。


諦めなくて良かった。いつもなら、状況にビビり、課題の大きさにビビり、それを突破する勇気が無くて、結局は「何もしないで、このままでいるのが一番」と自分に言い聞かせ、「自分」を諦めてしまっていた。でも、今回は、それをしなかった。


だから、その「ご褒美」として、ここに辿り着けたのだ。頑張って、自分に諦めず、コツコツと「制限」を外す努力をしてきて本当に良かった・・・と思った。

旅館に戻るころ、雨がパラパラと降ってきた。

女将さんにタクシーを呼んでもらい、旅館を出発した。

タクシーの運転手さんが、「どこからいらっしゃったんですか?」と聞かれるので、「岐阜県です。」と答えると、「それはそれは遠いところを!」とてもビックリされていた。

でも、運転手さんも昔、岐阜県へ旅行に来たことがあるそうで、郡上八幡を旅した・・・と言っていた。

「ああ・・・、私たち、その奥にある飛騨高山です。」と答えると、またまたビックリされていた。


そして、私たちが宇佐神宮を参拝するために、わざわざ此処を訪れたことを知ると、運転手さんは、「この宇佐の神様は、とても強いんですよ~。パワーというか、エネルギーがすごく強いです。とても強力だから、一度の参拝では、絶対に納まり切らないですよ。大抵は、2回3回・・・と何度もいらっしゃいますからね~。お客さん達も、きっとまた此処に来られると思いますよ~」と言われた。

「御利益がある」という言われ方はよく聞くけど、「宇佐の神様は強いから~」という言われ方は初めてで、私たちは「ええええっ!」と驚いた。


「そうなんですか?実は私たち、ある人から『ここに参拝されると良いですよ』と勧められて、それで来たんです。」と夫が言うと、運転手さんは「そうだったんですか~。きっとお客さん達もご縁がありそうですから、それなら次回は、あの山にある大元神社をお参りされると良いですよ~。」と言い、右手に見える山を指差した。


ああ・・・宇佐神宮の上宮から見えたあの山だ・・・。


運転手さんは更に、「ここは、宇佐の神様だけでなく、神仏習合の大元の場所なので、ものすごく力が強い所です。地元の者も、宇佐の神様の力の強さをすごく実感しているんですよ。」と言って、ニコニコと笑った。

運転手のオジサンの話を聞いていたら、この土地に住む人たちが、心から宇佐の神様を信仰し、宇佐神宮を誇りに感じ、神仏と一体となって生きていらっしゃる・・・ということを、ジンジンと感じたのだった。

郷土を愛するように、神宮の神様のことも敬愛し、誇りに思っていらっしゃるんだなぁ・・・と。
そして、神宮のことをとても大切に守っていらっしゃるんだなぁ・・・と。

やがてタクシーは宇佐駅に到着し、私たちは運転手さんに感謝を伝え、車を降りた。


駅の窓口に聞くと、宇佐から小倉までの特急ソニック号は指定が満席とのこと・・・。新幹線だけ指定にしてもらい、ソニックは自由席で行くことにした。


やがて特急が到着。見ると、座席は満席で、通路や連結部分にも人が溢れていた。

仕方がないので、私たちは、ドアの近くの空いている空間で立って乗ることにした。

次々と乗客が乗り込み、ソニック号の中は「朝のラッシュ時の電車」の中みたいな状況だった。

立ちっぱなしで疲れるけど、九州の特急で立ち乗りなんて、なかなか面白い経験だなぁ・・・と思い、状況を楽しむことにした。近くで立っていた外国人観光客の一家。そのご家族の坊やが、グズってわんわん泣くので、ママもパパも、とても困っている様子・・・。私は、自分のバッグの中にあったカエルちゃんのドリンクカバー(中に未開封のジュース入り)を、「present for you!」と言って渡した。

するとママとパパが「thank you!」と言って受け取り、坊やに見せた。

坊やは、泣き止んで、キャッキャと喜び、ドリンクを手で抱えていた。

ああ~良かった(笑)。

小倉で降りる時、私が「バイバイ~!Have a nice trip!」と言うと、ママとパパは「thank you!see you!」と答えてくれた。最近、習い始めた英会話、少しだけ役立ち、なんだか嬉しかった。

私のカエルちゃん。どこへ旅していくんだろう・・・笑。

母国語は、どうも英語ではなかった感じのファミリーだった。イタリアとかスペイン、ポルトガル・・・そっち系の言葉でしゃべっていた。

私のカエルちゃんは、あのファミリーと共に海を越えて、世界へ旅立っていくんだろうな・・・と思った。

小倉では、特急が5分ほど遅れて到着したため、走って走って走りまくって急いで新幹線ホームへ向かった。

ハアハア息を弾ませて、汗をポッポッとかきながら、なんとか指定の新幹線に間に合う。良かった良かった・・・・。

席に座り、ホッとしたら、なんだか眠くなってしまった。

ウトウト・・・と眠る私たち。

小倉でもまだ雨は降っていない様子だった。

新幹線の窓から見える風景も、まだ雨が降っていない場所が多かった。

台風に合うことなく無事に九州を脱出して、次は京都へ向かう。

京都には、お昼ごろに到着する予定だ・・・。


(続く)

10 029
(宇佐神宮にて)

宇佐駅でバスを待ち、神宮方面へ向かうバスに乗り込んだ私たち夫婦。

見ると、バスの中は、私たちの他に乗っているお客さんは2人ほど・・・。

観光客で乗っているのは私たちだけみたい(笑)。

夫が、近くに座っている人に「どのバス停で降りると良いですか?」と尋ねている。

宇佐神宮前というバス停があるらしく、そこで降りると良ですよ・・・と教えてもらった。

バスは10分ほどで神宮前に到着。

お金を払って、バスを降りる。

神宮前の表参道らしいけど、あまり人がいない。一応、お土産屋さんが並ぶ商店街みたいだけど、伊勢神宮の「おかげ横丁」などと比べても、なんだか寂しい感じだった。

神宮の近くにある旅館を予約しているので、そこへ行き、荷物を預かってもらった。

この旅館は、夫がネットで探した宿である。
昭和の雰囲気が漂う建物で、一階部分は食堂になっていた。フロントがどこかわからず迷ったけど、どうも食堂の奥らしい。旅館と言うより、民宿という感じだった。

美人の女将さんが、観光できそうな場所を教えてくださったけど、台風接近が気になるので、とりあえず「第一目標」である宇佐神宮を参拝することにした。


女将さん曰く、本殿だけお参りするなら20分ほどで行って来れるけど、ゆっくり回るなら、結構時間がかかりますよ・・・とのこと。


それならちょうどいい。ここの参拝に遥々来たのだから、台風が来る前に、さっそくお参りしましょう・・・ということになった。

夫と二人、表参道の土産物屋の前を抜けて、宇佐神宮の大鳥居を目指して歩いた。

10 001

テクテク歩いていたら、見えてきた、見えてきた・・・。ここが宇佐神宮の入り口だ。

10 002

台風が接近しているからだろうか・・・。土曜日だと言うのに、参拝者がほとんどいない。

この時、この鳥居をくぐっている人は、私たちだけである。

10 003


神代から脈々と続く歴史に、思わず背筋がシャキッと伸びる。

10 004

途中、神武天皇さまに関連する碑が立っているのを見つけた。昔、この場所に神武天皇さまが立たれたそうだ。

すごいなぁ・・・と、その歴史の重みにビックリする。


10 005

神橋(しんきょう)という橋を渡る。

10 007

大鳥居が見えてきた。

ここまで来ると、参拝者の姿がチラホラと見えてくる。

地元の人が多いみたい。

10 009

表参道を歩く。

10 011

下宮の鳥居が見えてきた。

この下宮は、昔、神様に捧げる食事を調理する場所だったそうで、御炊殿(みけでん)と言われていたらしい。

社は三つあり、上宮と同じ御祭神さまが祀られていた。

10 013


下宮の御門が見えてきた。

とても瑞々しくて清らかな「気」が流れていた。清流のようなエネルギー。

10 014

下宮様の境内の中にて。光と木々が美しい。

10 015

次に、今度は上宮を目指した。

実は私たち、以前参拝した「石清水八幡宮」の参道が、あまりに険しい山道だったので、今回の宇佐神宮も「もしかしたら、かなりキツイ山道を登るのかもしれないなぁ~」と覚悟していたのだった。

あの時、あまりのキツさに夫も私も足がヘロヘロに疲れ、夫は日頃の運動不足がたたって膝がガクガクだったのだった・・・


なので、「山登りだろうから、気合を入れて行こう!」と夫と二人で気合をいれて登り始めたんだけど、なんと、あっという間に、上宮様の入り口に辿りついてしまったのだった(笑)。


「あれ?もう着いちゃったみたい・・・」
「本当だ・・・。案外、近かったなぁ~」

・・・と、思わず顔を見合わせ、あはは・・・と笑ってしまう私たち(笑)。

10 016

この鳥居は、「宇佐鳥居」と言うらしい。その奥が「西大門」。鳥居の向こう側は、爽やかな秋晴れになっていた。

10 019

立派な西大門。この奥に、宇佐神宮上宮がある。


10 022

10 024

南中楼門の前で、順番にお参りする。一之御殿・二之御殿・三之御殿と並んでいて、一之御殿には八幡大神であられる「応神天皇」様が祀られている。次の二之御殿には、「売比大神」さま(多岐津姫命・市杵島姫命・多紀理姫命の三女神さま)が祀られている。そして最後の三之御殿には、応神天皇のお母様である「神功皇后」さまが祀られている。

二之御殿の三女神さまは、厳島神社の御祭神様でもあられるらしい。

そういえば、今年の初夏に、私は広島の厳島神社へ旅をしたんだけど、意外なところで繋がっていて、「そうなんだ~」と驚いた。

日本史ファンの間では、二之御殿の売比大神さまは、「卑弥呼」ではないか・・・という説も流れているらしい。

へぇ~そうなんだ。面白いなぁ・・・。

どちらにせよ、ここは神聖な場所なのだ。太古の昔、此処は神聖な場所であり、また、大陸からの文化と日本の文化が融合した「新しい時代のエネルギー」を培った場所なのだと思う。

それにしても、女性の神様がここには多く祀られているなんて、昔の人々にとって「女性」は、月経や出産などの身体の変化もあって、とても神秘的な存在だったのかもしれないなぁ・・・と思う。


夫と二人、二拝四拍手一拝で、神様を順番にお参りした。


その後、境内にある大きな楠に触ってくる。触れると健康長寿の御利益があるらしい。


10 025

それにしても、この宇佐八幡宮様は、何の気負いもなく、爽やかにスクッとこの場所に建ち続け、全国に四万社ある八幡宮の総本宮として、今も脈々と日本中を御守りくださっているのだ。

人間ならば、こんな大きな組織?の頂点に立つのであれば、驕りの気持ちや傲慢さが出てくるものなのに、ここの神様は、そういう欲に駆られたエネルギーは一切なく(神様なのだから当然なんだけど)、何事も無かったかのように、さり気なく、スクッとこの場に建ち続け、もう何千年も国土と民を守り続けてくださっているのである。


「ああ・・・。なんと爽やで清々しいんだろう・・・」と私は感じた。


八幡様って、どこも「爽やかな若葉のような、(人で例えると)若々しくて清純な青年のようなエネルギー」を発しているけど、この宇佐神宮も同じだなぁ・・・と感じたのだった。


10 026

境内に、こういう場所があった。


あの奥にある山が御神体となり、「大元神社」として祀られているらしい。

確かに神々しい山だなぁ・・・と、夫と二人で感心し、お参りをした。

夫が御朱印帳を書いてもらっている間、私は改めて、本殿の方を向いてお参りした。


今、本殿は修理中で、シートが掛けられていて、国宝である本殿の姿を見ることは出来なかった。(残念)

でも、神様の前に立っていると、「ああ・・・ここがすべての『もと』なんだなぁ・・・。ここから始まったんだなぁ・・・。」と感じとることができる。

そう。伊勢神宮よりももっと前に、ここから始まったんだなぁ・・・と。


なんだか懐かしいような・・・。チョッピリ感傷に浸ってしまうような・・・。


そう、ここが全ての「おおもと」であり、御親なのだ・・・。


神話の時代に「心」がタイムスリップしそうになるのを、一生懸命に抑えて(笑)、私は、上宮の空気を大きく吸い込んだ。

この日も、この宇佐神宮で結婚式が執り行われていたみたいで(私が参拝する神社仏閣は、何故かいつも結婚式が行われている)、私たちが参拝を終えて出ていく頃、式を終えた新郎新婦さんたちとご親族の皆様が境内に出てきて、記念写真を撮っていらっしゃった。


「おめでとうこざいます。末永くお幸せに・・・」と、心の中で、そっとお祝いの言葉をつぶやく。


とても素晴らしい場所だなぁ・・・と思った。

夫も、とても感動したようで、「ありがたいなぁ・・・。素晴らしいなぁ・・・。」と何度も呟いていた。


10 034

上宮様を出て、山道を下る。


あっという間に、下宮まで出てきた。


その後、「弥勒寺跡」へ行ってみる。


遠い昔、西暦738年に宇佐神宮の境内に建立された寺院で、日本の神仏習合文化発祥となった場所が、「弥勒寺」である。このお寺は、長い歴史を有していたにも関わらず、明治の神仏分離で廃寺となり、取り壊されてしまったそうだ。


でも、当時、弥勒寺があった場所は、今も神聖な場所として残されている。


西参道を歩いていたら、だんだん見えてきた・・・。


10 042

ここが弥勒寺跡。

10 043


10 049


10 047

なんと、まぁ清らかな場所なんだろう・・・そう感じた。

ちょうど昼下がりの日差しが緩やかに差し込み、弥勒菩薩様が佇んでいらっしゃるような・・・。そういう「気」に満ち溢れた場所だった。

確かに。仏様がいらっしゃった感じの場所だ。神様ではなくて、仏様。

神仏習合だから、神様も祀られていらっしゃったのかもしれないけど、此処は明らかに「仏様」のエネルギーだなぁ~と思った。

夫と「なんだか神聖な場所だよねぇ。清らかで慈悲の心に満ちている・・・」と話した。


そうそう、「慈悲」という言葉がピッタリ合う所だ・・・。

遠い昔、ここに寺院が立てられ、多くの僧侶がここで仏を拝みながらお浄土づくりに励んだのだろうな・・・。


こうして宇佐神宮の参拝を終えて、旅館に戻る。


夕方の4時過ぎ・・・。

宿泊客は私たち一組だけみたい。

夕食までノンビリ部屋で過ごした。


10 061

旅館の窓から見えた、宇佐の夕暮れ。

台風情報が気になる。

(続く)




このページのトップヘ