(せんとくん&しかまろちゃん)
朝の「ホテル⇔東大寺」の往復だけで、なんと10000歩以上も歩いてしまい、私も夫も、ちょっぴりバテ気味。
普段、車を使うことが多く、運動不足なので、余計に辛い・・・。
ヘロヘロになりながら、なんとかホテルに到着しました。
ホテルの駐車場に戻り、これから車で、薬師寺へと向かます。
薬師寺といえば、有名なのは高田好胤先生だよね・・・。
薬師寺の元管主さまで、大火で失われた堂塔の復興の大悲願を立てられ、全国を奔走して、御写経勧進を推し進められた先生です。
金堂・西塔・中門・回廊を復興させ、平成になって、大講堂を修復。
その志は、亡くなられた現在も引き継がれ、現在は、国宝となっている東塔を解体修理中(平成32年6月までの予定)なのだそうです・・・。
車で30分ほど走ったら、薬師寺に着きました~。
車を降りて、案内表示に従って歩いていると、途中で神社を発見。
「休ヶ丘八幡宮」
薬師寺の仏様を御守りするために、建てられた神社だそうです。
せっかくですので、お参りさせていただきました。
小さな神社ですが、とても手入れが行き届いていて、清々しい神社でした。
この時、ふとしたことから、ここ宮司さんと、少しお話させてもらったのですが、とても温かく優しい瞳をしていらっしゃいました。
南門をくぐって、拝観料を支払いました。今は、ちょうど「秋の特別公開」期間中で、境内の様々な塔堂を見せていただけるそうです。せっかくなので、このチケット↓を購入しました。
それにしても・・・。やはり奈良のお寺は、広大かつ巨大!
ここでも、スケールの大きさにビックリ!圧倒されました。
金堂
西塔
大講堂
それぞれの御堂の中には、国宝の仏様が安置されていて、感動ものでした。
この薬師寺は、歴史が古く白鳳時代に建立しているので、祀られている仏様も白鳳時代のものなのです。
昨日から国宝漬け?で、贅沢な時間を過ごしている私たちですが、ここ薬師寺でも、シルクロードの時代の雰囲気を残すエキゾチックな仏様を拝ませていただくことができて、とってもHappyな気分になりました。
そして、今回の特別公開では、昔の者だけでなく、現代の美術を鑑賞することができました。
一つは、桂盛行氏・桂盛仁氏の彫金作品の親子展です。
人間国宝である林氏親子の素晴らしい技術を、じっくりと鑑賞させていただきました。
こんなにじっくり彫金の作品を見たのは初めてです。
(昔、日展を見に行ったときは、こういうジャンルはスルーしていました・・・汗)
金属とは思えないほど、繊細で美しく、そして柔らかいのです。
特に生き物を題材にした作品は、可愛らしくて愛らしいのに、品格があり、とても素晴らしかったです。
そして、もう一つは、平山郁夫画伯のシルクロードの絵です。
この門の奥にある「大唐西域壁画殿」という建物の中に、玄奘三蔵法師が天竺へ向かったときの求法(ぐほう)の精神を描いた壁画があり、それを特別に見せていただきました。
あの有名な平山画伯が、30年もの年月をかけて描いた作品なのですが、ただただ素晴らしいの一言でした。
壁だけでなく天井にも色彩が施され、その迫力に圧倒されました。
国宝の古いものだけでなく、近代の素晴らしい芸術品にも触れることができて、心の底から「ありがたいなぁ~」と感謝の気持ちでいっぱいになりました。
この薬師寺は、法相宗の大本山なのですが、この法相宗というものが、そもそも三蔵法師様が天竺から持って帰られた教えを基にしたもので、もとは中国なのだそうです。
だから、日本人が開祖であるお寺とは雰囲気が異なるのだなぁ~と思いました。
こうして、広大な境内を徒歩でぐるりと回ったら、またまた結構な歩数(万歩計)になりました・・・汗。
こんなに広い敷地内を移動するのに、お坊様たちはどうされるんだろう?
こんだけ広いと、あっちの塔からこっちの御堂へ、ちょっと入ってくるのも大変だよ~。走って回るのも大変だから、これって絶対に自転車が要るよね~云々。と、そんな下世話?な話を夫として笑いました(笑)。
最後に、東院堂をお参りしました。
この建物も国宝です。
中では、国宝の東塔の修理のための供養の勧進があったので、早速、申し込みました。
こうして参拝させていただいたのもご縁だし、ちょうと参拝した時に、修理の供養を受け付けてくださっていることも「ご縁」だと思います。
だから、このご縁を大切にしたい・・・と思い、申込みをさせていただきました。
お金を供養させていただき、とってもスッキリした気分になりました。
申し込むとき、「お願いごと」を記入するのですが、特に思いうかばなくて「どうしよう~何にしようかな~」と迷ったいたら、受付の男性が、
「お願いしたいことが無い・・・ということは、とっても幸せなことですよ~。皆さん、いろんな悩みを抱えていらっしゃるのに、悩みがないということは、今の状態で良いということです。素晴らしいことですよ~。」
・・・と仰いました。
「あっ・・・確かに。本当にその通りですね~。」と私はビックリし、思わず笑ってしまいました。
あえて書くなら「世界平和」・・・・(笑)、それくらい、今の私には悩みが全くないのです。
一点の曇りもない、日本晴れのような真っ青な心。
それが今の私・・・。
薬師寺の仏様が、この男性の口を使って、私にそう教えてくださったんだな・・・と思いました。
ありがたいことだなぁ・・・と思いました。
こうして薬師寺を後にして、次は唐招提寺に向かいました。
薬師寺と唐招提寺、距離にしたら1キロメートルほどで、それほど離れていないのですが、足が疲れてクタクタなので、車で移動しました。
唐招提寺も、薬師寺同様、とても古いお寺で、あの有名な鑑真さまが、はるばる日本にお越しくださり開いたお寺です。日本からの熱心な招きに応じて、渡日を決意されたそうです。
ところが、来日するのに昔は船で海を渡るため、鑑真さまは航海で5回も失敗され、それで失明されて盲目の人となり、6回目の航海でようやく日本の地を踏むことができたのです。
先ほどの薬師寺と違って、禅寺のように落ち着いた感じのお寺だなぁ・・・と思いました。
南大門をくぐって境内に入ります。
国宝の金堂。
ここでも、国宝の仏様をたくさん拝ませていただきました。
このお寺は、奈良の広大なお寺の雰囲気とはちょっと違っていて、お庭が美しく、こじんまりしています。
奈良のお寺・・・というより、京都のお寺みたい。
日本的な美を感じさせるお庭や建物のたたずまいです。歩けば歩くほど、心がスーと落ち着いていきました。
この門の奥に御影堂があるのですが、中には入れませんでした。
そこで、奥にある御廟へ向かいました。
鑑真和上の御廟へ向かう道にて。
苔むした感じが、とても品よくて美しいです。
この道の先に、鑑真さまが眠っておられます・・・。
命懸けで日本に来て、日本の人々に仏教の教えを伝え、この地で生涯を閉じられた鑑真さま。
これが、御廟です。
ここに立ったととき、「志」という言葉が浮かびました。
それにしても、なんと美しい御廟なんでしょう。
生きていらっしゃった時の鑑真さまの心が、そのまま御廟に残っているような・・・。そんな「気」を感じました。
徳の篤さ、愛の深さ、志の高さ、器の大きさ、心の美しさ・・・。
そういうものを全身に受けながら、なんと高潔で爽やかな一生だったんだろう・・・と思いました。
苦難に満ちた日々を送りながら、しかし、人々のために志を捨てなかったのだなぁ・・・と。
その精神力の強さ、厳しい試練や苦難を感じさせない清々しさ・・・。
これが本物の人物。一流の人なんだなぁ~と思いました。
横から見上げた御廟。
写真ではわかりづらいですが、この角度からの景色が私は好きです(笑)。
とても神聖で美しい場所だと思いました。
お釈迦様の涅槃の風景がふと心に浮かびました。
こうして奈良の旅は終了。
ここから帰路につきました。
一泊二日の旅だったけど、じっくり3~4日ほど滞在してたような・・・(汗)。そんな中身の濃い二日間でした。
だけど、不思議だったのは、今回の旅は、柳生家の墓に始まり、締めくくりは鑑真大和上の御廟・・・だったことです。
私は、旅行でお墓へ行くことは、めったにないのですが、今回は別でした。
柳生のお墓でも、鑑真大和上の御廟でも、とても崇高で高潔な「志」を感じました。
そして、強い志を託されたような・・・そんな気持ちになりました。
これは、夫も同じだったようです。
旅に出る前と、旅を終えた今、自分たちの心の中が大きく変化したのを感じました。
新しい扉が開いたのかもしれません・・・。
旅の二日目は、あまりの感動に(国宝てんこ盛り?)、圧倒されっ放しで、お昼ご飯を食べることも忘れるほどでした(笑)。
帰りの高速道路で、「お腹が空いてきた~」ということで、高速道路の黒丸PAで、一番人気の「長崎ちゃんぽん」を食べました。(パーキングエリアの御飯だから・・・と高をくくっていたら、とんでもなく美味しかったです!)
食べるものもハズレなく、美味しいモノに(ちゃっかり?)ありつけて、「私たちってなんとラッキーなんでしょう!」と夫と笑いました(笑)。
すべてが素晴らしく、ありがたく、感謝でいっぱいだった旅。
こうして私たちは、Happyな気持ちを抱えて、飛騨へと帰りました。
おしまい