(何年か前の春の風景。「飛騨の里」から山々を望む。)
今、世の中では、信じられないような事故や事件が起きて、驚くことが連日続いていますが、その中で、私が今、一番心を痛めているのが、山岳部の高校生が巻き込まれた雪崩事故です。
本当に悲惨な事故で、ご家族や関係者の皆様のお気持ちを思うと、胸が痛くて苦しいです。
山って、本当に怖いんですよ。
舐めたら死ぬんですよ・・・。
登山していなくても、山国で生まれ育った者なら、冬の容赦ない厳しさ、雪の怖さ、自然を相手にすることの恐ろしさ・・・等、身に染みてよく分かっています。
山男の皆さんも同じくでしょう?
なのに、どうして・・・。
まだ10代の若い男の子たち、そして20代の青年先生。若い命が犠牲になったこと、悔やまれて仕方がありません。
こんな雪の中で大丈夫なのか?・・・と参加していた高校生たちは不安だったようです。
でも、ベテランの先生、強豪校の顧問の先生が「大丈夫」と言ったのだから・・・と、皆が信じたそうです。
先生が大丈夫、心配ない、と言ってくださったから、きっと大丈夫なんだ・・・と。心根が素直で純真な子供たちだったんでしょうね。
でも、その心配が的中して、雪崩が発生し、多くが生き埋めになりました。
自然というものは、突然、予想を超えたところで、突拍子もないことがバーンと起きるものなので、今回の件も、どうしようもなく仕方が無かったこと・・・なのかもしれません。。
しかし・・・。
どこかに、「慢心」があったのではないか?・・・と思えてなりません。
指導する立場の人たち・指導者のトップに立つ人たちの「慢心」・・・。
危機管理は万全にしておくことは、野外活動の鉄則です。
危機管理は、徹底してやり過ぎるくらいやっておいて「普通」なんです。
できることは全て手を尽くしてやりつくし、その上で当日を迎える・・・。それで初めて安心して活動ができるのです。
やって当たり前、いや、やり過ぎて当たり前・・・それくらいのものです。
しかも、山岳部でしょう?一般的なスポーツ系の部活よりも、安全管理は大変だと思います。
だって、大切なお子さんたちの命を預かるのですから・・・。
平地を歩いて散策する「遠足」のような行事でも、絶対に事故が起きないように・・・と、危機管理・安全対策を徹底させて、丁寧に周到に立案・計画・準備をしていきます。
何か起きても、すぐに的確に対処できるように手配を進めておくことも大切。
途中、天候が悪化したら、延期や中止、予定変更など・・・。そういう決断が柔軟性をもって速やかにできるというのも「指導者に必要な能力」です。
だから、万が一の時には、指導者は、皆の命を預かる立場として、すべての責任を一身に背負って決断します。
そんな厳しさがあるからこそ、行事や活動が安全に実行されてるのです。そして、すべてが無事に終了したところで、初めて「楽しかった行事」となって子供たちの思い出になっていくのです・・・。
そんな基本中の基本・・・。山の中での雪の活動なら尚更だと思います。
でも、どこかに慢心があったのかもしれません。また、大事なところで「ゆるみ」があったのでしょう。
そのゆるみのせいで、判断力が低下し、今回の悲劇に繋がったのかもしれないな・・・と思いました。
今、世の中は、この雪崩事故だけでなく、いろんな業界で、いろんなところで、「慢心」が原因となる問題やトラブルが多発しています。
・・・というか、「慢心」で、適当に済ませてきたツケが、今、目に見える形で世の中に噴出している・・・。そんな気もします。
表ざたになっているんですよ。
隠れて分からなかったものが、今、分かるように表に出てきたのだと思います。
今まで上手くやってこれたから・・・と慢心になり、いい加減な判断で適当に済ませてきたことのツケが、積もりに積もってどうしようもできないくらいに膨らみ、それらが今、決壊したダムの水のようにドバーと溢れ出したのだと思います。
それも、大きな犠牲を払って・・・。
もうね・・・。慢心してた本人が、そのツケを払って一人で責任を背負って苦労ししなきゃいけないのは別に良いんですよ~。
そうじゃなくて、罪のない人たち(子供たち)が巻き込まれ、大人たちの慢心の犠牲になってしまうのが、とても悲しいのです。
世の中、いろんなことが起きますが、それらについて感情移入しても、世の中には何の役にも立ちません・・・。
それよりも、起きた出来事を「反面教師」にして、自分自身を振り返り、見つめ直す・・・。そういう機会にしていかなきゃ・・・と思います。
自分の中にも「慢心」がないだろうか?
慢心しないように、常に「初心」にかえり、小さなことも大切に丁寧に取り組んでいく・・・。
自分が判断したことには責任をもち、常に緊張感を持って「目の前のこと」に真摯に取り組んでいく・・・。
そして、自分の命・人々の命を大切にする。命を守る・・・。
そんなことを心がけながら、まずは自分自身をピリッと引き締めて、日々、誠実にやっていかないといかんなぁ~と思いました。
そして、自分の『慢心』が人を巻き込むかもしれないことを肝に命じて、自分を律し、時には自分を戒めることも必要だなぁ…と思いました。
無事に助かったお子さんたち&先生方が、心身共に回復されることを心から祈っています。
もう二度と、こんな悲しい事故が起きませんように・・・。
そう願っています。
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